DS-CRは、電気設計者のためのデータマネジメントシステムとして、電気設計の各種成果物や参照されるべき情報を利活用しやすいように分類し、設計資産化を推し進める有益な仕組みとして多くのお客様に活用いただいています。
一方、蓄積した設計資産をナレッジとして利活用し技術伝承に活かす取り組みは、長年多くの製造業のお客様において重点課題となっています。また、最近ではリモートワークの増加、働き方の多様化により、ベテラン設計者によるOJTを通した指導も難しくなっています。
DS-CRは、全文検索機能「Power Search Engine」と図研プリサイトが提供するAI搭載ナレッジマネジメント支援システム「Knowledge Explorer」を連携させることで、設計者の気づきからナレッジの利活用を促進し、技術伝承につなげるプラットフォームを実現しました。
設計資産は活用されることでその価値が大きく向上する、この点を重要テーマとしてDS-CRではさらなる提供価値向上を追求しています。そして、全文検索機能「Power Search Engine」では、統合管理された設計資産を単に属性検索させるだけでなく、CADデータも含めたその中身を解析することで部品選定、設計、検証を高い精度で行える環境を実現しています。
具体的には、CADデータ内にある部品点数やピン総数から類似する基板データを検索したり、部品名で全文検索することで、該当する部品情報にとどまらず他の機種での使用状況やレポートなど、一括で検索可能となります。
しかし、経験の浅い設計者においては、「そもそも何を探したらいいかわからない」「誰に聞いたら良いのかわからない」「どこに必要な情報があるのかわからない」といった課題も残存していました。
今回、「Power Search Engine」と「Knowledge Explorer」が連携することで、DS-CRを利用中に、Webや共有サーバも含め社内外の情報をフリーワード検索することができるだけでなく、「Knowledge Explorer」に搭載されたAIが設計文書を分析し、企業ナレッジから関連する情報を探し出してくれます。
これにより、自力ではたどり着けない「価値ある情報」を手間なく入手できるようになります。
今後は、設計変更業務にフォーカスしたナレッジ活用の仕組みへと進化します。
設計者は、社内外の変更要求に対応するため、様々な情報へアクセスし変更対応を検討していますが、多くの場合、試作フェーズの検討経緯や結果は部門の機種フォルダなどに埋もれてしまっています。
この点に着目し、DS-CR上で変更要件と設計変更データの関連を持たせトレース可能とし、変更理由や遷移をデジタル化することで設計変更情報の高度化を図ります。
さらに、DS-CRで管理される設計変更情報を起点として、Knowledge Explorerと連携し、類似の設計変更や関連情報をその場で収集できるようにすることで、技術伝承プラットフォームとしての機能をさらに高める予定です。